向日葵色の恋【完】

『雫輝って名前はね、向日葵を見て決めたの』



『向日葵を?』



『雨があがったあとの向日葵の様子。雨さえも嬉しくさせるような、元気な子に。ってね』



お母さんが照れ笑うと、まだ小学生の私も笑った。



お母さんは続ける。



『それとね、向日葵の花言葉は愛慕っていって、人が生きていくためにとても大切なことなの』



雫輝にも、そう思う日がきっとくるわ____



白い空間で笑うお母さんは、次第に薄くなっていく。



『お母さん…?』



何も言わず笑うお母さん。



ついには、表情が分からなくなっていった。



『待って…行かないで…!もうどこにも行かないでよ!!』