「そーいやさっき」



俊哉が最後の一口であろうお弁当のおかずを飲み込みながら



思い出したように口を開いた。



「例の後輩が雫輝のこと宮田先輩宮田先輩って探してたぞ」



「伊澄(いすみ)くん?」



「たしかそんな名前の」



「あいつ雫輝のこと好きすぎだろ」



俊哉と私の会話に、輝が笑いながら口を挟む。



今日はお弁当を作ってないらしく



手元にはコンビニで買ったと思われるおにぎりが握ってあった。



「なに輝ヤキモチ?」



美涼が冷やかすと、輝はポカンと口を開き、しばらく固まったかと思えば



「たまには笑えること言えるんだな美涼」



そう言って真顔になっていた。