朝早く着く学校はまだ静かで、少しだけ寂しくて、でもそんな雰囲気が好きだった。



いつもの騒がしい昇降口も、ぽつぽつと人がいるくらいで、活気はない。



「美涼おはよ!」



「雫輝!?今日もなの!?」



「ま、まあね」



「2日連続なんて……槍でも降るのかな」



雨でもなく、雪でもなく、槍。



それほどの破壊力を持った私の2日連続の早朝登校。



(何か腹立つからずっと続けてやろうかな)



「そういえば明後日だよね大会!!!」



「うん!!そうなの!!覚えてたんだ!」



「当たり前!応援行くからね!!」



美涼が私の手を握りぶんぶんと勢いよく振る。



反応がいちいち大袈裟な気がするが、それも美涼のいいところだろう。