「い、いいに決まってるじゃん…輝の幸せは私の幸せだよ」



本当に私の言葉だっただろうか。



本当に私の気持ちだったろうか。



そのときの私は、自分かと思うほど綺麗に笑えた。



「そっ。ならいいけど?……あ、じゃあ私いくね!部活がんばって!」



「うん!ばいばい!」



美涼の背中が遠くなって行く。



昇降口がしーんと静寂に包まれた。



『輝と芽依ちゃん付き合うって話しでてるけど』



1人になれば考え込んでしまいそうで、その理由を見つけたくなくて、私はそそくさと部室へ急いだ。