「じゃあ、またくるねお母さん」



「気をつけてね」



お母さんとバイバイをして、病室を出る。



お父さんも私も、今まで以上にスッキリした顔をしていた。



「夕飯は何にしようか」



「ハンバーグ!」



「最近食べたばっかだろ〜」



そんな他愛もない会話が、楽しくて仕方がない。



「だって美味しいんだも「雫輝」



お父さんが私を呼ぶ。



お父さんの視線の先を追うと、



「え…?」



片手を挙げる輝がいた。



「行ってきなさい。家で待ってるよ」



お父さんはニッコリと微笑んで、先へ行った。



「て、輝どうして…」