「じゃなくてさ、輝。俺にも可愛い子紹介してくれよ〜」



俊哉が輝に泣きつく。



輝は閃いた顔をして。



「俺の母さんとか空いてるけど、どう?若い頃は可愛かったらしいよ」



「はっ倒すぞオイ」



夏休み明けから笑わせてくれる2人に、美涼と私は声をあげて笑う。



と、



「電話だ…」



お父さんからの着信。



お父さんからの着信は怖い。



もう嫌な報告は、聞きたくない。



「大丈夫だよ雫輝」



輝がそう言って優しく笑った。



私は静かに頷いてケータイを耳に当てる。



「…はい、もしもし」



『雫輝か?今、学校だよな』