「あー分かった分かった。要するに俊哉は1人ってことだな?」



「や、それ分かってないから」



夏休みが明け、今日は登校日。



屋上で、いつものメンバーと話しをする。



私と輝が付き合い出した噂は既に広まっていた。



「つーか輝、後輩ちゃんのことはどーなったんだよ」



久しぶりに見た俊哉の顔は、どこか痩せていた。



夏休みの間に、サッカーの試合が連続でありハードだったとか。



「後輩ちゃんには好きな人がいたんだよ」



輝が笑って言う。



「ハァ?」



あの肝試しのとき。



輝は芽依ちゃんから、別れの言葉を聞いたという。



ホテルで輝を探していた理由は、その言葉を告げたかったからだ。



好きな人だけに、必死になってみようと思ったと。