「ではこれで肝試しを終わりにする!感想の方は胸にしまってくれ!じゃあ解散!」



集合も解散も先生の独断で終えた肝試し。



みんなの顔を見ると、なんだかんだ楽しかったというようで、先生も満足気だ。



「ずぅちゃん…」



「ん?」



ホテルに帰ろうと一歩踏み出したとき、隣から千陽ちゃんの小さい声が聞こえた。



どうやら元気がないようだ。



「どうしたの?千陽ちゃん」



下を向く千陽ちゃんを覗き込むように問う。



千陽ちゃんは目を潤ませて、今にも泣きそうな顔をしていた。



「おばあちゃんからもらったネックレス…落としちゃったみたい…」



胸元にあったはずの場所を触りながら、千陽ちゃんは言う。



見ると、本当にネックレスが消えていた。



「形見って言ってたネックレス?」



聞くと、静かに頷いた。