「1番辛いときに、1番嬉しいときに、側にいられるのオレじゃない」



癖っ毛で、犬みたいに明るくて、すぐ冗談言って笑わせてくれて、人を気にかけることのできる伊澄くん。



そんな伊澄くんに、私は何回も助けられてきた。



だけど。



ぶっきらぼうで、不器用で、減らず口で、ああ言えばこう言って、嫌な顔するくせに優しくて、私を信じてくれる輝。



誰がどう言っても、誰とどういう関係でも、私は輝が好きなんだろう。



「でも、正々堂々と告白させて下さい」



そう言うと伊澄くんは、私をゆっくり離して、今までで1番綺麗な顔をした。



「ずっと前から、好きでした」



木々の間から月が辺りを照らし、星々が瞬く。



伊澄くんの声が、澄みきった夜空へ浮かんで舞った。





「ありがとう、伊澄くん」




いつも側にいてくれて
いつも支えてくれて
いつも笑わせてくれて
こんな私のこと分かってくれて
こんな私のこと、好きになってくれて。