向日葵色の恋【完】

「オレは今、結ばれなくても想い続けたい人がいるからっすよ」



「え…?」



まっすぐで素直な、綺麗な瞳。



私とは違う、正直な心。



「先輩がその気持ち無かったことにするっていうなら……、いや、もともと気持ちなんて無かったって言うなら…」



伊澄くんは、口の片端を持ち上げ笑うと言葉を発した。



「…オレと付き合えますよね?」



想像もしていなかった言葉。



伊澄くんの顔からして、冗談ではない。



「な、何言ってるの伊澄く「オレは!!!」



森の中に響く、今まで聞いたことのない伊澄くんの大きな声。



ビクッと体が跳ねた。



伊澄くんは、とても切ない目で、表情で、私を見た。



見ていられないほどに、切ない目を。