向日葵色の恋【完】

「ごまかして逃げる恋愛なら、しない方がいいっすよ。本気で恋愛してる人に失礼ですから」



グッと握った拳に力を込める。



いつも笑って私を見守ってくれた伊澄くんだから、私を分かっている伊澄くんだから。



そんな伊澄くんが言ってること、間違っていると言い返す勇気も自信もない。



私にはその資格もない。



「結ばれない恋愛なら無かったことにしてしまおうって、そういうことでしょう?」



事実だ。



私は、輝の気持ちを無くなってしまえばいいと、
消えてしまえばいいと、消す努力ばかり。



「そんな簡単に消せるような想いは、''想い''だなんてキレイな言葉では表せませんから。遊び心っていうんすよ」



次々と胸を刺す伊澄くんの言葉。



「ど、どうして伊澄くんがそんなこと…」



溢れそうになる涙を我慢しながら見上げた伊澄くんの顔。



まっすぐな目をして。