「今までなかっただけだよ!」



「なんでいきなり1人で来ようと思ったわけ??」



「な、なんで美涼そんなに突っかかるの…」



「気になるもん。雫輝と輝が別々なんて。喧嘩したの?」



喧嘩と言われて、少しだけ反応したが、喧嘩なんてしていない。



そうだ。勝手に気分を悪くしてるのは私だ。



「してないよ」



「なに?なんかあったの雫輝?」



「何もないってば!美涼は気にしすぎだよ」



「そう?…ならいいんだけど」



美涼は鋭い人だった。



今まで嘘を突き通せたことは1度だってない。



今もきっと気づいてはいるが、聞かないでいてくれているのだろう。



「今日はいい天気だね」



私が校庭の方を見てつぶやいた。



雲ひとつない青空だった。



「ほんとだね」



美涼も同じくつぶやいた。