「おっはよー!」



朝教室に行くと人がまばらだった。



その中に美涼もいて、何か化け物を見たように目を見開き私を見ていた。



「し、雫輝…?」



「おはよ美涼!」



「幻じゃないのね!!?」



「ちょっと…」



私の両肩を持って揺らしたり、頭をバンバン叩いたりして確かめる美涼。



どうやら私が寝坊しないのがよほど珍しいらしい。



「まだ授業始まる30分前だよ!?どうしたの!?」



「私だって早起きくらいするから…」



「雪でも降るのかな…」



次々と人を蹴落とすような言葉を吐く美涼は、とても正直な子なんだと改めて感じた。



「今日は早起きしたい気分だったの!もうっ」



「じゃあ輝も?」



「て、輝は一緒じゃないよ…」



「何で?あなたたちが別々で来ること今まであったっけ?」



美涼が少しだけ首をかしげて私を見る。



眉を寄せて、おかしいことが連続で起きることを飲み込めてない様子だ。