「ありがとう雫輝」



最後にポンポン、と2回頭を叩いて私を離す。



ふわり、輝のにおいが漂った。



「部屋に戻ろう」



その言葉で、少しだけ寂しくなった気持ちを無いことにして。



「そうだね」



笑って返事をする。



「じゃあ、またあした」



輝に背を向けて、扉を開ける____



「雫輝」



と、



「輝…?」



扉にかけた手を輝が掴み、強引に私を抱きしめた。