向日葵色の恋【完】

「最初は断ってたんだけどさ、最後の最後まで俺のあとついてきて。玄関であいつの話し聞いた」



私が自分の部屋から見たのは、そのときだったんだ。



あのとき輝は、芽依ちゃんを家に入れなかった…。



ホッとしている自分が、何だか不謹慎で嫌になる。



「身体を売った遊びの男を好きになったって。その場で泣き出してさ」



「…うん」



「忘れるために付き合って欲しいなんて、あのときの俺は断れなかった」



力が抜けたように上を向いた輝は、私の手を握る力を少しだけ強めた。



「ばかだよなあ。好きでもない同士付き合って、無責任に突き放して」



何やってんだ俺、と自嘲気味に笑う輝。



そんな輝を見るのが、なんだか辛くて悲しくて。



気づけば口を開いていた。