「でも芽依ちゃんは輝に会いに「ちょっと黙って」



自分の人差し指を私の口元へ持っていき、静寂を促す輝。



その視線の先を目で追うと、そこにはキョロキョロと辺りを見渡す芽依ちゃんがいた。



輝を探しているのだろう。



ちょうど芽依ちゃんから死角になっているこの場所だが、見つかるのも時間の問題だ。



「どうするの?」



できるだけ小さい声で、輝に問いかける。



輝は大きな溜息をついた。



「輝…?」



そうこうしているうちに、芽依ちゃんはだんだんこちらへ近づいている。



「輝…!」



「こっち」



輝は私の手を引いて、近くにあった部屋に入った。



荷物が積み上がった倉庫のような部屋だ。