「あ、ごめんなさ……」



そこまで言って顔をあげれば、



「え…」



缶を片手に私を見下ろす輝と目が合った。



「なに追いかけっこしてんだよ」



口の端を持ち上げながら缶を渡す輝を、ただ呆然と見つめる私。



そんな私を見て、さすがに不思議に思った輝は首をかしげて問う。



「何?」



眉を寄せて、訝しむ輝。



「な、何でいるの…?」



私は素直な疑問を投げかけた。



「は?…何でって…ジュース買いに来ただけだよ。自販機1階にしかねーし」



どうして私がここまで驚くのか、まったく分からないとでも言うような顔で輝は言う。



「そ、そういうことじゃなくて…」



「はぁ?」