味覚まで狂わす自分の感情に、いよいよ嫌気がさしてきた。



芽依ちゃんはもう、輝の部屋だろうか。



そしてやっぱり輝も男だから……



そこまで考えて首を振る。



(やめたやめた)



こんなこと考えても仕方が無い。



あの2人は付き合っているのだ。



まだ半分は残っているジュースを無理矢理流し込み、缶を無造作にゴミ箱へと投げた。



案の定、缶はゴミ箱をそれて、一直線に廊下を転がっていく。



「あっ、ちょっ」



転がる缶を追いかけて、廊下を走る。



なかなか缶を拾えないでいると、視界に人の足が映った。



その人はそのまま缶を拾いあげてくれた。