「温泉もやっぱり高級なのかな?」



私が千陽ちゃんを見ると、千陽ちゃんは残りのお肉を頬張りながら、



「これでお風呂がそうでもなかったら拍子抜けだよね」



プッと笑った。



「ちょっとやめてよ〜」



それにつられるように私も吹き出す。



「よし!ずぅちゃん!お風呂いこ!」



食べたばかりなのに元気な千陽ちゃんは、私の手を取って浴場へと足早に向かった。



千陽ちゃんの元気な姿は、他の人まで明るくさせるような力を持っていて。



なんでもないようなこの会話でさえ、楽しいと思える。




だからもう忘れてた。



伊澄くんと話した、あの煩わしい気持ちなんて____