ホテルに着きチェックインを済ますと、各自部屋へ一直線。



この1階の受付があるフロアでさえ高級感が溢れている。



田舎っぺの私たちには、勿体無い場所だ。



「ずぅちゃん部屋いこ!」



千陽ちゃんが私の手を取り、広い広い廊下を走る。



少しだけ海の香りがした。



「男子は2階で女子は1階なんだってさ〜」



「サービスすごいなぁ」



部屋へ行けば、それはそれは広い部屋で。



この部屋は千陽ちゃんと私の2人の部屋のはずなのに、あと10人は入れるだろう広さ。



「広すぎて怖いね…」



独り言のように呟いた声は、広すぎる部屋に溶け込んでいった。