「ス、スウィート、る、る、る、ルーム!?」



プールからバスに乗り、ホテルへ向かってる途中、なんとも聞き慣れない単語が聞こえてきた。



ついに自分の耳がおかしくなってしまったか、頭が正常ではないか。



そのうちどちらかだと思った。



自分がおかしいと思ったが、これは現実らしい。



「は、はい……パパが大切なお客さんだからって用意してくれてて…」



1年生の由依ちゃんのお父さんは、大手企業の社長で、自分が経営するホテルをいくつか持っているらしい。



そこで、私たち部員は大切なお客さんだからと、スイートルームを用意してくれているとか…。



こんな夢のような話しが現実に存在するはずがない。



タダなうえにスイートルームなんて、会社側の赤字ではないか。



「そ、そ、そんなことしてもらっちゃっていいの…?」



「パパが言ってたから…大丈夫だと思います…」



由依ちゃんも由依ちゃんで不安なのだろう。