「すげー混んでますね」



ウォータースライダーがある付近、そこには1時間半待ちの文字と行列があった。



「あ、諦めた方が…」



「待ちましょう1時間半」



「うそだと言って」



もしこれが有名なケーキ屋さんとか。



美味しい焼肉屋さんとか。



それなら1時間半だろうが何時間だろうが待つ気になるが、今待とうとしているのはウォータースライダーだ。



1時間半の代償を投げ打ってでも、ウォータースライダーに乗りたいかと言ったら、1分でも待ちたくない。



「私1時間半も待ってウォータースライダーなんて乗りたくないな〜」



呟いた声を伊澄くんが拾い



「今回はやめときます?」



諦めたことにより、ウォータースライダーは乗らないことになった。



あんなにバクバクしていたのがバカみたいに、伊澄くんの諦めは結構あっさりとしたもので。



伊澄くん曰く、自分もそこまで乗りたかったわけではなく、私の反応が見たかったからだとかなんとか。



それもそれでむしろアレな気がする…。



そして、なんやかんやで15時。



プールも終了を迎えた。