「でも伊澄くん…ほんとに高いよ…?」



「高くなかったらつまんないじゃないっすか」



(悪いけどその感性は分かりかねない)



「そ、そうだね…」



無理矢理頷く私を見て、伊澄くんが吹き出した。



「怖いなら怖いって言えばいいのに」



「怖いわけないないない〜〜〜」



顔の前でブンブンと手を横に振る。



それも異様な速さで。



「ぶっ」



「いちいち笑わないでよもう」



フイッと顔を逸らすと、伊澄くんが立ち上がって



「ほら、いきますよ先輩」



ウォータースライダーへと体を向けた。




「う、うう、うん」



ごくんと生唾を飲み込み、伊澄くんについていく。