21時。
部活終了の笛が鳴り響く。



部室へ向かう途中、例の後輩が輝の腕にべったりくっついてるのが見えた。



(こんなクソ暑い中ひっついたら余計暑いでしょうが…)



多少呆れたが、見て見ぬふりをして部室の扉をしめた。



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支度を整え外に出ると、真夏の生暖かい風が吹き抜けた。



空を見上げて星を仰ぐと、今までの疲れが全て吹き飛ぶ気がして心地よい。



深呼吸をしてから、帰路へと急ぐ私の耳にあいつの声。



「雫輝!」



なんとなく



今1番聞きたくない声だった。



「輝、、」



「なんだよ、何で今日は先に帰る気になってんの?」



「気分かな」



「なんだよそれ」



ケラケラと笑う輝に、無性に腹が立った。



あの子と一緒にいたほうが楽しいくせに
嬉しいくせに



そう考えたら自分の思うこの感情が急にバカバカしく感じた。