とうとうテストの返却の日になった。

担任だった数学の先生が、黒板いっぱいに「平均点:58点」という文字を書いた。クラスはざわついた。

200点満点のテストだったため、平均点が赤点だったのだ。
クラスの騒然としたざわつきの中で、あたしは神に祈るしかなかった。


名簿順の後半に入り、とうとうあたしの名前が呼ばれた。
テストを受け取りに行くと無言で担任の先生が出席簿の角であたしの頭を軽く小突いた。


そのせいでますます不安が大きくなり、恐る恐る解答用紙を覗いた。


そこに書かれていたのは、名前の横に大きく書かれた「27点」という文字だった。平均点以下に加えて、赤点だった。
正確には、人生初の青点だった。


全てが終わったと思った。
この春休みはなんだったのだろう。
先生との時間はなんだったんだろう。
先生との約束も、もうだめだと思った。

何度、夢であってほしいと願っただろう。

いろんな想いがあたしの頭をぐるぐると回っていた。