不本意にも、先生とご飯の約束をしてしまった。

いつものあたしだったら有頂天になる位喜んだのだけれど、今度こそ振られたのだから諦めようと思って決心していたから心中穏やかではなかった。

でもこの出来事は、先生への恋にかすかな光が差した瞬間でもあった。


それから数学のテストの日まで、あたしは猛勉強をした。

あれだけ大嫌いで苦痛で仕方なかったはずの数学を必死になって勉強していた。

常に繋がっていたかったから分からない問題が出来ると、先生にメールした。

いつも返信は夜遅かったけれど、必ず返ってきた。
先生との繋がりを持てることもあたしにとってはうれしかった。


メールの最後にはいつも、
〝無理せず、頑張れよ〟
という応援が入っていた。