とうとう最後の授業の日になってしまった。

先生はいつもと変わらず、にこにこと穏やかに微笑んでいた。

“最後1回”と考えれば考える程に、あたしはただならぬ不安に襲われた。
 

もし今度のテストで平均点を取らなければ、先生とこれから先、会うこともできない。
今日で本当にさようならかもしれない。


あたしは、課題を解きながらそんなことをばかりを考えていた。

考えないようにする方が難しくて、嫌な思いや不安が次から次へと湧き上がってきては、あたしの心の中を支配していた。