少しの間があって、先生は吹きだして笑いながら

「知佳ぁ……。もう……。あのさ、知佳は俺の生徒でしょ!」


そう言った。

受け流された。

あたしの淡い恋は終わりだと思った。


先生は休憩時間が終わると何事もなかったようにいつもの先生に戻っていった。

諦めようとあたしの心は、そう思っていたはずだった。

けれど先生のいつもと変わらない姿が、先生の笑顔が、あたしの気持ちを掴んで離さなかった。


いつもの優しく微笑む先生を見て、あたしは諦めきれずにいた。

いつもと全く変わらない先生にどこかでまた淡い期待をしてしまった。