3回目の授業だった。

この頃から、いつの間にか先生は、あたしのことを呼び捨てしてくれるようになっていた。

それがあたしにはとても嬉しかった。

だからこの日はやる気満々で授業に向かった。


休憩中にあたしは母が持ってきてくれた差し入れのクッキーを先生と食べながら、先生に何気なく聞いた。


「先生は彼女いるんですか?」

「いるわけないじゃん」


即答だった。

先生はそう笑いながら答えた。

あまりの先生の即答ぶりに、なんだかこの勢いに全てを任せれば、あたしはこのまま突っ走れそうな気がした。




「先生……。あたし、先生のことが好きなんです。」
 


あたしの告白だった。

あたしの告白に一瞬、時間が止まった。

先生のコーヒーを飲んでいた手も止まっていた。