帰る前になって最後の一問を必死で解いていたあたしの横で先生は、急に何かを思い出したように、

「知佳ちゃん、この付箋紙とペン貸して。」
と言いながら、あたしのペンケースから取り出して、何か書いてあたしの解いていた問題の横に付箋紙を貼り付けた。

それは先生のアドレスとメールアドレスだった。

びっくりしてキョトンとしているあたしに先生は
「課題でわからないことあったらいつでも電話かメールして。他にもバイトしているし、返信は遅くなるかもしれないけど……。俺も次回の心構え出来るしね。」
と笑いながら言ってくれた。