カテキョ。

何故?

その思いが頭を何周も駆けまわっていた。

あまりの衝撃に涙すら出なかった。

携帯はいつの間にか切っていた。

何度か携帯はバイブレーションがなっていた。
きっとヒロアキの弟からだということだけは分かった。

でもあたしは携帯を握りしめたままトイレの個室の中で立ち尽くしていた。

どれだけの時間がたったんだろう。
昼休みだったあたしはとりあえず教室に戻った。
トイレから帰ったら急にテンション下がっているあたしに友達が心配して声をかけてくれた。
 

どれだけ酷い顔していたんだろう。
どうやって歩いたんだろう。
どうやって帰ったんだろう。

もう今はあんまりよく覚えていない。


早退だったり、学校をさぼることなんてしたことなかったあたしだったけれど、どうにか言い訳して、あたしは学校を早退した。

電車を乗り継いでやっとの思いで着いたヒロアキの家には、たくさんの人が出入りしていた。