カテキョ。


連絡があったのは昼休みのことだった。


携帯みたらヒロアキから電話を知らせる着信のランプが光っていた。

いつもなら学校にいることを知っているヒロアキが電話なんてしてこない時間だった。

きっと昨日のことを謝罪してくれるんだとばかり思い、浮足立って、トイレへ向かった。


高校内は携帯電話禁止だったから、ゆっくり話をするにはトイレで隠れて電話していた。

トイレの個室に入って、ヒロアキに電話をかけた。


「もしもしヒロアキ?まだ学校にいるんだけど……」


本当は、1日ぶりの電話に嬉しくて仕方なかったけれど、昨日の飲み会の件を謝罪してほしくて、わざと棘のある言い方をした。


だけど、電話の向こうのヒロアキは、喋らなかった。