その日は、先生と別れてタクシーで帰った。

別れ際、先生に貰った名刺は、この間と同じ名刺だったけれど携帯電話のメールアドレスが書かれていた。

先生の告白で酔いが醒めてしまったあたしは、家の近くのコンビニでタクシーを降り、雑誌を買って帰った。

帰ってからも、雑誌なんて読む気にもならず、先生の告白に動揺して、何も手に付かなかった。


 いつの間にか眠ってしまったあたしは、目が覚めてから先生の言葉の意味を理解した。

8年という時間は、確実に私たちを大人に変えていた。

25歳というあたしの年は世間一般で言う適齢期、先生があたしを思って言ってくれた言葉を思い出し、また涙が出そうになった。


結婚ということを考えると、シンちゃんを思い出して少し心が痛んだ。

それでも自分の中の気持ちや先生への答えが既に決まっていることに気付くまで、そう時間はかからなかった。


それでも、1週間は今後のことについて考えた。