「知佳、彼氏は?」

そう尋ねられてあたしは苦笑いした。


「振られました。ずっと好きな人がいるだろうって言われて。」


心の奥深くに眠っているはずの傷がチクリと痛んだ。

「そっか。」

そう言って、先生とあたしはまた2人して黙った。


なんだかその場にいることが出来ず、急いで缶コーヒーを飲み終えて、近くのゴミ箱に捨てに行こうと席を立った。