「俺、結婚してないんだ。」
そう言われて固まった。
離婚という2文字があたしの頭の中を占拠した。
「離婚ですか?」
恐る恐る聞いた私に、電話の向こうでクスリと鼻で笑われたのが分かった。
「離婚どころか、結婚寸前で破局。」
色々なことが気になったけれど聞けなかった。
それ以上先生の傷を掘り返したくないと思い、聞くことは出来なかった。
電話の向こうで先生はきっとお見通しなんだと思った。
ふっと淋しそうに笑う先生にあたしは心が苦しくて、何も言えなかった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…