家を出発して40分位走ったところで、シンちゃんのお母さんが、無口なドライバーのお父さんの代わりにあたしに向かって声をかけた。

「ちょっとガソリン入れるから、スタンド寄るからね。」

シンちゃんは、相変わらず大きないびきかいて寝ている。

「はぁい。」

シンちゃんが答えないため、あたしが代わりに返事した。

シンちゃんの両親と話が進まず、あたしは黙って、窓の外を眺めていた。


立ち寄ったガソリンスタンドは、あたしの卒業した高校の近くにあった。


高校を卒業して以来、ほとんどこの辺りには来たことがなかった。

竹やぶがあった場所にコンビニが出来ていた。
よく帰りに寄り道したお好み焼屋は、更地になっていた。


3年の間に少しだけ町並みが変わっていて少し淋しくなった。