お互いが仕事を始めて１ヶ月が経ったゴールデンウィークのことだった。


あたしはシンちゃんと、彼の両親の４人で彼のおばあちゃんに会いに行くことになっていた。


シンちゃんのおばあちゃんの家は、車で２時間半程の所にあった。

その日は、シンちゃんのお父さんが運転するワゴン車に乗ってお婆ちゃんの家に向かった。

シンちゃんの両親が、運転席と助手席に乗り、あたしたちは後部座席に乗り込んだ。


外は、雲ひとつない いい天気で、まさにドライブ日和だった。

海沿いを走る車の窓からあたしは、穏やかにキラキラ光っている海を眺めていた。

うきうきしていているあたしの隣で、シートを倒したシンちゃんは、余程仕事で疲れ果てていたようで、いびきをかいて寝ていた。