「高校生の頃、あたしカテキョのことが好きだったんだよね。」

なんて飲み会の席で、恋愛話に先生のことが出てくるようになっていた。


先生のことは、もう良い思い出だと、そう思えるようになっていた。


そういえば、就職が決まった時、先生にメールを送ったことがあった。


〝title:先生へ
就職決まりました。来春から立派な社会人です〟


先生からはすぐに返信がきた。

〝title:Re:先生へ
もう知佳もそんな歳になったんだね〟


昔ならすぐにでも先生からのメールに返信していたが、あたしは報告のメールだけでそれきり返信をしなかった。


もう過去のことだからと割り切っていた。