「俺さ、知佳と付き合う前まで付き合っていた女の子を外国車の中古車に例えるなら、知佳は国産の軽自動車だけど新車でカーナビまで装備してますって感じだった。」

「今までに付き合ったことがないような女の子だったから、逃げられても、逃げられてもお前を追いかけたくなった。」

あたしはあまりにもひどい例え話に苛々したが、黙って聞いた。


「でも、今俺の前に現れたのは、新車で外国車でカーナビ付きって感じなんだよ。」

語気を強めて言うショウヘイは、あまりに嬉しいようで顔の表情や雰囲気からそのことがヒシヒシと伝わってきた。


「だから俺、知佳と別れることにしたから。」

「知佳、もう俺と別れてくれない?」


なんだか侮辱されて、悔しくて、悔しくて仕方なかったけれど、でも何も言わなかった。

それでショウヘイが満足して別れてくれるなら、あたしはそれでいいと思った。


「知佳、別れよう……」

「わかった。」