合格から一週間くらいたったある夜、あたしは一人で部屋のベッドでゴロゴロしながら友達にメールを作成していた。

急に手に持っていた携帯電話がバイブレーションとともに鳴ったものだから携帯電話を落としそうになった。


びっくりして、相手を確認すらしなかった。
「もしもし……?」


あたしが不審に思いながら言うと、電話越しに

「もしもし……知佳?」
聞き慣れた声がした。

あたしは誰だかすぐに分かった。
「先生……」

文化祭以来、久々に聞く先生の声はあたしの心をかき乱した。

連絡すると言っていた先生の言葉をあたしはずっと心のどこかで期待して待っていた。

先生の声を聞いて、押さえつけていた自分の気持ちが決壊しそうになった。


あたしはやっぱり先生が好きなのだと確信した。