とうとう受験の日になっていた。


志望校は、県内のリハビリの専門学校だった。

今回の受験は推薦入試だった。

毎年、倍率も10倍近くあり、その年も倍率は9倍だった。


通っていた高校から毎年推薦入試を受ける人がいるが、合格した例がなかったため担任の先生が

「一般入試が本番だから、練習だと思って落ちるつもりで受けてきなさい。」

とあたしに笑いながら言っていた。

あたしも一般入試が本番だから、と気楽に受験した。


唯一、一人だけ緊張していたのがショウヘイだった。


ショウヘイは受験当日のあたしに朝1番に応援メールを送ってくれた。

昼休みもまた応援メールを送ってくれた。

必死であたしのこと考えてくれていたことがひしひしと伝わってきた。


きっとこの頃、あたしのショウヘイに対する気持ちは、愛情というより情の方が大きかった。