先生はいつもの笑顔を見せてくれた。

「久しぶり、元気か?」
「最近、あんまり連絡ないからさ。」

あたしは何も答えられない。


答えを待つ先生との間には沈黙が続いた。

先生はその時間が苦痛なのだろう。

「知佳、座りなよ。」

「あっ、これ。たこ焼き、食べる?」


先生はいつもよりたくさん喋っていた。
あたしは先生の向かいの席に座りながら、意を決して言った。


「いやぁ、最近ですね。実は、彼氏が出来て……あんまり先生と連絡取れなくて……」


あたしは心が読まれないように必死で笑顔を見せた。


「そっか。よかったな。」


先生は、いつもみたいに笑っていた。

あたしはそれ以上、先生に何か言われたら、泣きそうだった。