学食についた頃、急にサキが止まって、あたしを引っ張る手が緩んだ。

学食には、たくさんの人がいた。


息を切らしているあたしの隣でサキは大きく。


大きく手を振った。

人ごみの中で、手を振り返した相手がいた。


それは、紛れも無く先生だった。


先生に近づくと、サキはあたしと先生に

「じゃぁ。」
と一言言いながら、あたしの肩をポンポンっと2回叩いて去っていった。


残されたのは、あたしと先生。

一人で食品バザーのたこ焼きを食べながら先生はあたしに話しかけてきた。


あたしの封印していた心が、あたしの凍り付いていた心が溶けようとしていた。