あたしはそんな気持ちのまま7月に入っていた。
梅雨もあけて夏休みも近づいていた。
暑さのせいか、恋愛のせいか勉強にも集中できず、成績は伸び悩んでいた。
その頃、地元の友達から
「知佳の写真見て、どうしてもメールしたいんだって。」
と半ば強制的に紹介された男の人とあたしはメール交換をはじめるようになっていた。
あたしはもうメル友だけは作る気持ちになんてならなかった。
また前の自分に戻る気がしたから怖くて仕方なかった。
「1カ月でいいから。付き合うとか全く考えないでいいし。お願い!本当、一生のお願い!」
友達から土下座する勢いで言われたからには仕方がなかった。
メル友には最初に伝えた。
「あたしには好きな人がいるから。」
メル友はそれでもいいと言った。
あたしにはそれが理解できなかった。

