6月も終わりを迎えようとする頃のことだった。

隣のクラスのサキという子があたしに廊下で話しかけてきた。

サキは、あたしの友達と同じバレー部のメンバーだった。
だから友達と一緒にいる時に、偶然顔を合わせると少し話をするくらいの仲だった。


サキは、小柄で、元気がよくて、自分のことを何でも話し、はっきりと物事をいうタイプのいわゆる隣のクラスのムードメーカーだった。

あたしとサキは、全く正反対のタイプといってもいいのかもしれない。

サキが陽なら、あたしは陰だった。