季節は、6月に入り、雨の日が多くなっていた。

先生とのデートから1ヶ月以上が経った。


インターハイ予選も終わってクラスの子たちが段々と受験モードに突入し始めて、少しだけクラスの雰囲気も変わってきていた。

あたしはその雰囲気に気付かないふりをしていた。

あたしは、先生と出会ってからというもの以前のようにリストカットもしなくなっていた。
メル友、メル友と淋しさを紛らわすこともしなくなっていた。

外見も中身もごく普通の女子高生になっていた。


先生へ片想いだったけれど、それはそれで幸せだった。


“それまで俺も待ってる”


デートの時、そう言ってくれた先生の言葉を素直に、純粋な気持ちで信じていた。

真っ直ぐに先生だけを想い続けていた。