会議を終えた尾上さんが、最終的に会議を勝ち抜いてCMを決めたのは高遠さんだと教えてくれた。

決め手はどこのCMにも出演したことがなく、イメージがいいことだった。

アタシの録画した映像や資料を見て決めたそうで、頑張って作ったかいがあった。

尾上さんは、広告代理店と撮影の日程やイメージについて打ち合わせを始めた。

お茶の緑を意識した映像になるらしく、清流の流れる上流か、緑溢れる緑地か撮影場所についても協議していた。

アタシはどこであろうと、撮影現場に駆け付けるつもりでその日を待っていた。