それからバタバタとシャワーを浴びて、着替えることにする。

いつも綺麗な遥香と並ぶのには、こちらも見られる側になるということで、みすぼらしくないだけの気はつかう。あからさまに引き立て役だと思われたくないし、遥香にセンスを疑われる事態にはなりたくはない。

この前、一緒に買った服にしよう。シフォン素材のブラウスにショートパンツを合わせる。

睡眠不足な腫れぼったい目をバッチリまつげでカバーして、お気に入りのヒールをはく。

そういえば、このヒールは高遠さんと出会った日にはいていた靴だ。出会った日から今まではいていなかった。思い出してにやけながら家を後にする。



遥香が言い出したこととはいえ、駅に一人で待たせる訳にはいかない。人目を引く遥香はナンパされやすい。いくら遥香がしっかりしていたって、男が二人、三人になったら断るほうも大変だし、力ずくで連れていかれたりしたらたまらない。

思いついてメールする。『どこかマックとか入ってて。駅じゃ心配』

すぐにメールが返ってくる。『大丈夫よ。安全な所にいるから』

ほっと一息ついて、残りの道を駅まで小走りで急ぐ。