「私共は高遠裕也という俳優を、育て守らねばなりません。もし、あなたが裕也にとってプラスになることなく害になるなら、こちらも手段を選ばず排除することになりますが、覚悟はよろしいですか」


マネージャーさんの目が絞られて鋭い光が見える。底冷えのするようなその目を見たら、嘘や冗談ではないとわかる。

緊張から、握りしめた携帯が重く、手が小刻みに震える。

それでも、アタシはここに来るために覚悟を決めて努力もしてきた。



「アタシは高遠さんのためならないことはしません」