起きた時には、まだ夜が明けていなかった。薄闇のなかでホテルの部屋が見えてくると、寝る前の記憶も蘇ってくる。

横向きのアタシの背中にくっつくように、高遠さんの温もりがあって、髪に柔らかな寝息がかかる。

抱きしめるように腰に手が回っていた。

すやすやと規則正しい寝息につられて、昨日のことを思い出していた。



初めての経験で、結ばれた後に自分の体を見たら赤い跡が体じゅうに散っていた。

胸や、柔らかい腕の内側、お腹、よくよく見たら太ももの内側にまで跡がある。

「わっ…なにこれ」

「キスマーク」

体を覗きこもうとするのを布団で隠すと、高遠さんはむっとして眉を寄せる。